錦川鉄道NT3000形(NT3004)とキハ40形(キハ40 1009)

久々の更新となりました。
今回は、山口県岩国市を走る錦川鉄道について取り上げます。

錦川鉄道の鉄道路線は、錦川清流線の一路線のみ。昨今、利用者数が低迷しており(昨年度の利用者数は過去最低だったそう)、存続かあるいは廃線か今後の在り方が検討され始めたそうですが、美しい景色や快適な車両、終点の錦町駅からは、愛・地球博で活躍した「グローバル・トラム」にも乗れるなど魅力が非常に多い路線です。

今回は、そんな錦川鉄道の魅力について

  1. 錦川鉄道の概要と錦川清流線
  2. 錦川鉄道錦川清流線の車両
  3. 「グローバル・トラム」が活躍するとことこトレイン

の順に紹介いたします。
なお、錦川鉄道のHP及びWekipediaを参考にさせて頂きました。





まず、錦川鉄道の概要と錦川清流線について。
錦川鉄道は、岩国市などが出資する第三セクター鉄道で1987年4月1日に設立されました。錦川鉄道は、錦川清流線の運行のほか後述するとことこトレイン(元「グローバル・トラム」)の運行、旅行業やバスの運行、岩国城や岩国城ロープウェーの管理受託業務など幅広い事業を行っています。
錦川清流線は、旧国鉄の特定地方交通線だった岩日線(川西~錦町間)の運行を引き継ぐ形で、1987年7月25日に開業しました。
錦川鉄道錦川清流線の列車は、全列車がJR岩徳線を経由して岩国駅へ乗り入れ、岩国~錦町間で運行されています。運行本数は、10往復。観光案内の放送が入ったり、景観が良いところで徐行してくれたりと乗客を楽しませる工夫がなされています。
岩国駅で並ぶNT3000形とキハ47系岩国駅で並ぶ錦川鉄道のNT3000形とJRのキハ47形。
錦川鉄道の列車は、岩国駅の0番線から発車します。
ICカードは利用できないので、駅の券売機で乗車券を購入して利用することになります(乗車券の購入にはICカード利用可)。

列車内の路線図。座席の枕カバーに路線図が描かれています。

錦川鉄道の車窓

錦川鉄道の車窓車窓から。
路線名の通り、清流「錦川」沿いを走り、美しい風景を楽しませてくれます。


清流みはらし駅臨時駅の清流みはらし駅。
2019年3月19日に開業した臨時駅で、イベント列車のみの停車となっています。
なお、この駅への道はないそうで、イベント列車でしか行くことはできません。

錦町駅錦川清流線の終点錦町駅。
とことこトレインやバス路線は、この駅からの乗車となります。

右側の黒色の新しい建物の2階には、鉄道資料館が設けられており、写真や資料及びジオラマの展示が行われています。

錦町駅のホームには、腕木式信号機が保存されています。
1987年まで河山駅で使用されていたものだそうです。

ホームの掲示板には、多くのイベントの案内が掲示されていました。
清流みはらし駅で降車できるプランや、運転体験ができるプラン、更には車内で食事が楽しめるプランなどイベントも魅力的です。




つづいて、錦川鉄道錦川清流線で活躍する車両について紹介いたします。
主力のNT3000形は、2007~2008年にかけて、NT3001~NT3004の4両が製造されました。錦川鉄道NT3000形錦町駅にて並ぶNT3003(右)とNT3004(左)。
錦川鉄道のHPによると、車両のデザインは、「清流と奏でる自然の風景」がテーマになっているそうで、NT3001がせせらぎ号(青色)、NT3002がひだまり号(ピンク色)、NT3003がこもれび号(緑色)、NT3004がきらめき号(黄色)と車両毎にデザインが異なっています。

NT3000形車内。NT3000形の車内。
転換クロスシート(一部ロングシートもあり)装備で、車窓を楽しむのにはもってこいと言えるでしょう。
また、トイレの設備もあり、トイレが近い方も安心して乗車できます。

NT3000形転換クロスシートNT3000形の転換クロスシート。
座り心地が非常に良い座席。小さなテーブルもあり、飲み物やお菓子などを置くことができます。

錦川鉄道には1両だけですが、キハ40形もいます。錦川鉄道キハ40系。キハ40 1009号(錦町にて)。
元々は、JR東日本の烏山線で活躍していた車両で、2017年5月に錦川鉄道に譲渡されました。
基本的に、定期列車には使用されず、錦川鉄道主催のイベント列車や貸切列車のみの運用となります。
なお、NT3000形が転換クロスシート装備でトイレ付きなのに対し、キハ40 1009号は、オールロングシートでトイレはありません。
乗車するのであれば、NT3000形の方が快適に、車窓を楽しめそうです。

NT3000形(NT3001)とキハ40 1009NT3001とキハ40 1009の並び(錦町にて撮影)。

錦川鉄道NT3000形(NT3004)とキハ40形(キハ40 1009)向き合うNT3004とキハ40 1009(錦町にて撮影)。




ここからは、錦町駅と雙津峡温泉(そうづきょうおんせん)間を結ぶとことこトレインについて。
2021年に詳しく取り上げたので、”愛知万博グローバル・トラムの現在1 ~錦川鉄道とことこトレイン~”をご覧の上、今回の記事をお読み頂ければと思います。
2021年に取り上げたように、とことこトレインは、未成線岩日北線の路盤を活用した岩日北線記念公園内を走行しており、錦町駅と雙津峡温泉(そうづきょうおんせん)駅間を結んでいます。正式な鉄道扱いではなく、遊園地の遊具扱いで、愛・地球博で活躍した「グローバル・トラム」が使用されています。
同じく、「グローバル・トラム」を活用していたベイサイドプレイス博多のシーサイドトレインは、2022年2月に運行を終了してしまったので、「グローバル・トラム」に乗車できるのは、全国でここだけになってしまいました。愛知万博時代のグローバル・トラムの第2編成が01編成「ガタくん」、第3編成が02編成「ゴトくん」として活躍しています。
なお、とことこトレインは、基本的には土日・祝日のみの運行(春休み・夏休み期間中は平日も運行)で、冬期は運休となります。ご乗車の際は、錦川鉄道のHPで、運行日をご確認ください。
とことこトレイン(元愛・地球博「グローバル・トラム」きらら夢トンネル内に止まるとことこトレイン。
雙津峡温泉行きに乗車すると、錦町駅を出て最初のトンネルがきらら夢トンネルで、光る石を用いた装飾がなされています。
光源から青白い光を当てることで、美しい赤・青・緑などの色が出るそうです。
雙津峡温泉行き・錦町行きどちらに乗っても、トンネル内で降車して見学する時間が設けられています。

とことこトレイン(元愛・地球博「グローバル・トラム」雙津峡温泉駅で発車を待つとことこトレイン。
以前は、常時1編成での運行でしたが、乗客が多いと、2編成続行での運行も行われるようになったようです。
なお、”続行”と書きましたが、距離を保って走るようになされており、昔、名鉄美濃町線で見られたような”続行運転”を楽しむことはできないようです。

雙津峡温泉駅 雙津峡温泉駅は、待合室やトイレが整備されています。

岩日北線トンネルトイレの裏側には、入ることができないトンネルがあります。
とことこトレインが走っている岩日北線の未成線のさらに先で、未成線自体は島根県の六日市まで続いているそうです。
機会があれば、未成線をたどってみても面白いかもしれません。

雙津峡温泉駅を出てまちへ。雙津峡温泉駅の近くにあった地図。
かなり古い地図で、変わってしまっているところも多くあります。

SOZU温泉近くのSOZU温泉で温泉と食事を楽しむことができます。
温泉は、ぬるめの湯なので、ついつい長湯してしまうことでしょう。

最後になりましたが、魅力いっぱいの錦川鉄道、多くの方に是非訪れて頂き、検討されている”今後の在り方”が良い方向にいくことを願っております。私も途中駅の散策やイベントへの参加等、是非、再訪したいですね。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

おわり。


投稿者 めいはん

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