7300系モ7307号(静岡県内某所)

静岡県内に保存される7300系モ7307号

静岡県内に保存される7300系モ7307号



7300系は、1971年に登場。
車体や内装は連続固定窓・転換クロスシート装備でパノラマカー並みであったが、足回りは旧3800系や旧800系から流用した吊り掛け駆動で、4連×3本(7301F~7303F)・2連×9本(7304F~7312F)の30両が製造された。
製造当初はミュージックホーンが装備され(後に撤去)、特急にも使用されたが、次第に他のAL車同様、普通や急行などで運用されるようになり、晩年は広見線や小牧線など支線区で主に運転された。
吊り掛け駆動が災いし、長くは活躍できず、1997年4月に名鉄からは引退。引退後、渥美線の1500V昇圧を控えた豊橋鉄道に譲渡されることになり、7301Fの中間車2両を除いた28両が譲渡され、豊橋鉄道の旧600V車全車を置き換えた。
豊橋鉄道では、赤色にクリーム色の塗装が標準塗装となったが、7304Fが黄色に黄緑色の帯の”なのはな号”、7307Fが青色に白色の帯の”なぎさ号”と愛称が正面に書かれていた。4連の2本も7302Fが黄色に黄緑色の帯、7303Fが青色に白色の帯の塗装となったが、正面に愛称は書かれず、”ニセなのはな号”・”ニセなぎさ号”とも言われていた。
旧型の足回りかつ2扉クロスシートということで、豊橋鉄道での活躍も長くは続かず、2000~2002年にかけて、元東急7200系の1800系に置き換えられた。廃車の際に、車両の無償譲渡を行うことを発表し、譲渡先を募集。4両の車両の譲渡が決定し、7307Fなぎさ号のモ7307号は、静岡県在住の一個人に譲渡されることになり、住宅地にて保存されている。
塗装が全体的に色褪せ、錆が浮き上がっているところがあったり、前面貫通扉のガラスが割れているなど、保存状態は良いとは言えない。また、車両の周囲が柵で囲われており、車両に近づくことは不可能である(写真は、柵の隙間より撮影)。

調査・撮影年:2020年




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