今回も先回につづき京阪の話題を。
以前、昨年8月のダイヤ変更について取り上げた際、夕方に出町柳発淀屋橋行きの全車指定席の「ライナー」が登場する旨紹介しましたが、ようやく乗車することができたので、レポートいたします。
「ライナー」は、2017年8月のプレミアムカー導入とともに登場した平日のみ運行される全車指定の列車で、特急用車両の8000系により運行されています。
当初は、朝ラッシュ時の枚方市発淀屋橋行きと樟葉発淀屋橋行きの2本のみの運行で、プレミアムカーの導入により、かつて行われていたように8000系の特急や快速特急「洛楽」以外での運用がしづらくなったので、朝はあまり運行されない8000系を活用したと言われました。
ダイヤ変更を重ねるごとに運行本数や区間が増え、2023年8月のダイヤ変更では、平日朝の淀屋橋行きが6本(樟葉発×3、枚方市発×1、三条発×1、出町柳発×1)、平日夕方の淀屋橋発出町柳行きが6本、そして今回紹介する平日夕方の出町柳発淀屋橋行きが1本と、合計で一日に13本もの「ライナー」が運行されるまでになりました。
停車駅は、樟葉発・枚方市発の列車が通勤快急と同様、それ以外の列車は特急と同じになっています。
「ライナー」を利用するには、乗車券のほかに区間により300円または380円のライナー券が必要です。ライナー券は、京阪ホームページ内の予約サイト「プレミアムカークラブ」、特急停車駅に設置されているキャッシュレス券売機、ライナー停車駅の窓口で発売されています。
なお、「ライナー」利用でもプレミアムカーを利用する場合は、プレミアムカー券だけ購入すればよく、ライナー券の購入は必要ありません。また、淀屋橋行きの京橋~淀屋橋間と、出町柳行きの七条~出町柳間は、プレミアムカー以外の車両は、ライナー券なしで乗車することが可能です。
ここからは、夕方の出町柳発淀屋橋行きの「ライナー」(B1731A列車)を写真をもとにレポートいたします。
まずは、ライナー券を購入しましょう。ホームのキャッシュレス券売機を利用しました。
現金が使えず不便に思われる方もいるかもしれませんが、ICOCAやmanacaなどの交通系ICだけでなく、クレジットカードが使用できるほか、WAONやnanacoなどの電子マネーやPayPayなどのQRコード決済までも対応していて、不便さはまったく感じません。
また、自分の好みの座席を選択することも可能で、非常に有能な券売機です。
17時44分、「ライナー」が入線してきました。
前運用は、出町柳行きの特急で、特急の乗客が降車すると扉が閉まり、車内整理(座席の転換)と、行き先や種別表示の整備が行われます。
車内整理終了後、再び扉が開き、乗車することが可能になります。「ライナー」として出町柳駅で発車を待つ8010F。
出町柳発の「ライナー」の停車駅は特急と同じですが、特急や快速特急ではないので、前面の鳩マークは隠されています。
現在は、基本的に8000系は、特急・快速特急・ライナーでしか運用されず、鳩マークを隠して営業運転するのは、ライナーでの運用時のみとなっています。
側面のLED表示。
日本語と英語が交互に表示されます。
6号車のプレミアムカーのLED。
プレミアムカーのLEDには、列車番号と発車時刻も表示されます。
どこに乗るかかなり悩んだのですが、4号車のダブルデッカーの2階に乗ることにしました。
意気揚々と車内に入ります。絨毯が敷いてあって、豪華な内装。
他に乗客は誰もいません(笑)。
というわけで、車内を少しだけ紹介しましょう。座席。
ダブルデッカーの座席は、他の車両よりも若干小ぶりなものになっています。
車両端部は、固定になっており、淀屋橋行き・出町柳行きどちらであっても向かい合わせになるところが出てしまいます。
ライナーでは、向かい合わせになる部分の後ろ向きになる座席(淀屋橋行き:38A・38B、出町柳行き:31C・31D )は、発売されないことになっています。
1階も誰もいなかったので、撮影しました。
8000系の列車はいつも混んでいて、こういう時でないと撮影できませんからね(笑)。1階は向かい合わせになるところはなく、全席が転換可能になっています。
壁面のおしゃれな照明が豪華な雰囲気を増しています。
2階への階段から見る車端部のロングシート。
通常の特急や快速特急「洛楽」では、こんな写真はまず撮れません(笑)。
ライナー券購入時にロングシートの部分を指定して購入することも可能です。
列車は、17時55分に出町柳を発車。
特急ではありませんが、発車メロディーは、特急のメロディーでした。ダブルデッカーの2階には、結局他の乗客は誰も来ませんでした。
通常の特急や快速特急「洛楽」では、プレミアムカーにしか乗務しないアテンダントが適宜巡回し、ライナー券の所持状況を確認していました。
三条・祇園四条と止まるにつれ、何人か乗車してきましたが、乗り間違いの方も多数。
アテンダントに通常の特急を利用するよう声を掛けられており、乗り間違いの乗客は、七条までに降車していきました。
七条発車後でも、2人がけの座席にどこも1人ずつ着席、並びで空いているところも多く、通常の特急や快速特急「洛楽」では感じられないほど優雅な感じです。
丹波橋駅到着時の様子。
多くの人が待っていますが、ほどんどが次の特急に乗車するようで、乗車してきた人は数人でした。
中書島でも数人の乗車。
中書島を過ぎると、アテンダントがライナー券を所持していいるか確認に巡回。
もちろん、事前に購入し、指定されて席に座っていれば声をかけられることはありません。
かなりの人がライナー券を購入していなかったようで、ダブルデッカーの2階の乗客の半数近くが現金で精算していました。通常の特急と乗り間違えてしまったと申告する人もおり、全車指定の「ライナー」はまだあまり浸透していないのかもしれません。
淀川と木津川の橋梁を渡り、石清水八幡宮を通過すると、樟葉・枚方市と停車します。枚方市では、交野線の10000系の姿を見ることができました。
樟葉と枚方市では、多少の乗降がありましたが、満席になることはなく、座席が発売されない38A・38Bの席を除いて30席中11名の乗車で、かなりゆとりがあります。
車内は、通常の特急では感じられないほど落ち着いていて静かで、通常の特急や快速特急「洛楽」なら料金不要でも乗車できる車両ですが、風格すら感じられます。
寝屋川車両基地の前を通過。
暗くてあまりよく見えませんが、車両の緑色が、車両基地の前を通過していることを示してくれます。
京橋に18時47分に到着。
京橋からは、プレミアムカー以外の車両は、ライナー券なしでも乗車可能になります。とはいっても、降車する方はいましたが、乗車してくる方はおらず、落ち着いた雰囲気のまま淀屋橋へと向かいます。
天満橋駅の発車案内板。
少々見にくいですが、一部指定と書かれており、プレミアムカー以外は、乗車券だけで利用できることを示しています。
終点の淀屋橋には、18時55分に到着。快適だったなぁと余韻に浸りながら降車します。
乗車してきた8010編成は、足早に出町柳行きの「ライナー」として折り返していきました。
全車指定のライナー。
通常の特急や快速特急「洛楽」と同じ座席ではあるものの、まるでいつも有料特急で走っているかのような風格すら感じました。
今回は、ダブルデッカーの2階に乗車してみましたが、次回は他の車両にもぜひ乗ってみたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
おわり。