先日、近々のHC85系への置き換えが予想されるキハ85系の特急 南紀に乗車してきました。
今回から3回に渡り、キハ85系の特急 南紀の乗車記をご覧頂きたいと思います。
特急 南紀は、名古屋から関西本線・伊勢鉄道・紀勢本線経由で新宮・紀伊勝浦間を結ぶ特急列車で、1日4往復8本が運転されています。名古屋から紀伊勝浦までの250km弱を最高速度120km/hで3時間45分ほどで結んでいます。現在は、全列車がキハ85系で運転されていますが、近々新型車両のHC85系への置き換えが予定されています。
キハ85系は、1988年に登場。JR初の特急型気動車で、アメリカのカミンズ社製の高出力エンジン及び電気指令式のブレーキを採用し、最高速度は120km/hとなり、電車と変わらない高性能な車両となりました。客室は一段高いハイデッカーで、窓は大きく、客席からの眺望が非常に優れており、”ワイドビュー”と名付けられました。1989年から特急ひだで運行を開始し、1992年からは特急南紀でも運転を開始し、これまで使用されてきたキハ82系を置き換えました。
キハ85系で運転される列車は、(ワイドビュー)ひだ・(ワイドビュー)南紀と呼ばれ、キハ85系以後に登場した383系、373系にもコンセプトが受け継がれています(特急の”ワイドビュー”の愛称は2022年3月改正で廃止)。
登場から、34年が経過し、ひだと南紀は新型のハイブリッド型気動車のHC85系に置き換えられることになり、2022年7月から一部のひだがHC85系での運転となりました。HC85系で運行される列車は、徐々に増加しており、近々南紀にも投入されるものと思われます。
前置きはこれぐらいにして、本題の乗車記へ行きましょう。
紀伊勝浦から名古屋まで全区間乗車しました。
ちなみに前日、紀伊田辺に泊まり、この日は紀伊田辺から紀伊勝浦までパンダくろしおに乗車。パンダくろしおについては、別の機会で改めて取り上げたいと思います。
紀伊勝浦12時23分発の南紀6号に乗車します。
前運用の南紀1号が、11時56分に紀伊勝浦に入線してきました。貫通型のキハ85-201が先頭で入線してきました。
通常、南紀は指定席と自由席が1両ずつの2両での運転ですが、夏休み期間中だったからでしょうか? 指定席が1両増結されており、3両での運転でした。
車内の清掃作業終了後、車内へ入ります。デッキは、スーパーはくとのHOT7000系はステップレスでしたが、キハ85系はステップ付きとなっています。
マットが敷かれていますが、1980年代後期~1990年代初期に流行ったそうで、名鉄のパノラマsuperにも敷かれていました。
乗車したのは1号車の自由席です。名古屋行きは、1号車が先頭となるので、もちろん(?)先頭の展望席に着席します。
上の写真でおわかりかと思いますが、先頭は、非貫通型のキハ85-14。
指定席側が貫通型で、自由席が非貫通型というのは、逆な感じがしますが、所定編成だそうです。
キハ85系運転台。
スーパーはくとのHOT7000系には、運転台の後ろの車掌用のスペースがあり、客室から運転台までの距離がやや遠かったですが、キハ85系にはないので、客室から運転台までの距離が近く感じました。
10時54分、紀伊勝浦を発車。名古屋に向け出発です。新宮までのJR西日本区間は、あまり速度は出さずソロソロと走ります。
写真をご覧頂けば一目瞭然ですが、枕木が木製のところもあり、軌道状態はあまり良くないようです。
地方線区で見かける超低速走行の区間もありました。
紀勢本線という幹線区間で驚きましたが、近年、紀勢本線の白浜~新宮間は、利用者が減ったようで、列車本数が激減しており、合理化の一環なのでしょう。
寂しい気持ちになりますね。
車窓から見る太平洋が奇麗でした。
ワイドビュー南紀 ~魅惑のハイパワー特急~ <中編>につづく。