今回も豊橋鉄道の保存車両について取り上げます。
豊橋鉄道の渥美線は、1997年7月に600Vから1500Vに昇圧されており、昇圧されてからはや30年近くが経とうとしています。
600V時代に活躍していた車両のほとんどは解体されてしまいましたが、電動貨車1両(デワ11号)と電気機関車1両(デキ211号)が、田原市内の農業施設「サンテパルクたはら」で保存されています。
今回は、サンテパルクたはらで保存されているデワ11号とデキ211号について紹介いたします。
写真を紹介する前に、デワ11号とデキ211号の概要を簡単に述べます。
デワ11号は、渥美線の前身である渥美電鉄が創業時の1923年12月に、日車で製造したデハ100形102号で、1940年 9月の戦時統合による名鉄への合併によりモ 1形3号となりました。名鉄との合併後は、貨物輸送の増大を見込み、1943年9月にの貨物電車デワ30形33号に改造されました。1954年10月に渥美線が豊橋鉄道に譲受けられた際に豊橋鉄道所属になり、1968年11月にデワ10形11号に改番、1997年 7月に渥美線が600Vから1500Vに昇圧されるまで入換などで使用されました(パノラマ第139号P14より一部引用)。
デキ211号は、元は名鉄の前身である愛知電気鉄道のデキ360形362号で、1925年に製造されました。戦後、渥美線で使用されるようになり、1954年に渥美線が豊橋鉄道に譲受けられた際にそのまま豊橋鉄道所属となりました。1968年にデキ210形211号に改番、貨物の入れ替えや貨物廃止後は事業用に使用され、1997年の1500Vに昇圧されるまで活躍しました(パノラマ第129号P9より一部引用)。
1998年4月にどちらも田原町(現在の田原市)に譲渡、サンテパルクたはらで保存・展示され、現在に至っています。
ここからは写真を紹介いたします。
まず、デワ11号から。
車体はなんと木製。
歴史を感じますね。
前面から。
車内も見てみましょう。
サンテパルク田原の営業時間は車内が開放されており、見学することが可能です。
デワ11号の車内。
貨物電車ということで、座席などは設置されていません。
運転台。
直接制御の大きなマスコンと車のハンドルのような手ブレーキが特徴的です。
マスコンは東洋電機製のものです。
つづいてデキ211号の写真をご覧ください。
綺麗な凸型の機関車です。
デワ11号はやや傷みが見受けられますが、こちらはピカピカです。
車内も見てみましょう。
デハ11号と同様に、サンテパルク田原の営業時間は、車内が開放されています。
運転台。
運転士は蟹のように横向きに座って運転していたようで、少し運転しづらそうですね。

ボンネットの下部には、コンプレッサーなどの機器が収納されていました。
車体が小さく、やむを得ずこのように配置したということでしょうか・・・?

正面から。
写真ではわかりにくいですが、正面から見ると、他の車両と比べて車体が小さいことが実感できます。
デワ11号とデキ211号の連結面。
よく見ると、繋がっていません。
デワ11号とデキ211号を様々な角度から撮ってみました。

これからも末永く保存されることを願ってやみません。
最後に、サンテパルクたはらについて。
サンテパルクたはらは農業公園という位置づけになっており、産直市では名産品や野菜が販売されているほか、サラダ館と呼ばれる建物内では、農業についての紹介がなされています。
サラダ館での農業についての紹介。
芦ヶ池という池に隣接しており、公園からの景観も美しかったです。
サンテパルクたはらの公式HPはこちら。
開園時間は9時から17時までで、木曜日はお休みだそうです(デワ11号とデキ211号は、外観のみなら開園時間以外でも公道から見学可)。
アクセスは、車を利用するか、公共交通だと、三河田原駅からバス(ぐるりんバス)で40分ほど。
バスは本数が少ないので、利用の際は必ず時間をご確認ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
【参考文献】
パノラマ第129号(1999年発行、鉄道友の会名古屋支部)
パノラマ第139号(2000年発行、鉄道友の会名古屋支部)
