久々の更新となりました。

最近、諸事情により、更新がしづらくなっており、幣サイトをご覧の皆様にはご迷惑をおかけいたしております。

忙しい最中ですが、先日、宮崎県の高千穂町まで出向き、高千穂鉄道の廃線跡を走るグランドスーパーカートに乗車してきました。また、旧高千穂駅に保存されているTR-101号とTR-202号も見学してきたので、レポートしたいと思います。




まずは、高千穂鉄道の概要について簡単にまとめます(参考:Wekipediaの高千穂線高千穂鉄道の項)。
高千穂鉄道は、延岡~高千穂の間を結ぶ高千穂線を運営していた第三セクター方式の会社で、高千穂線の廃線に伴い2009年3月末に解散となっています。
高千穂線は、1972年に全線開通。元々は、高千穂駅と南阿蘇鉄道の高森駅が鉄路で繋がる構想があり、延岡から熊本までが鉄道で結ばれるはずでしたが、高千穂~高森間を建設中に、地下水の水脈を誤って切断するという事故が発生し、工事は中止されました。現在、この時に建設されたトンネルが、高千穂町内の「トンネルの駅」、高森町内の「高森湧水トンネル公園」となり、活用がなされています。
高千穂線は、旧国鉄時代に特定地方交通線に指定され、1989年4月に宮崎県などが出資する第三セクター方式の高千穂鉄道に経営移管されました。
高千穂鉄道に経営移管後は、通勤・通学での利用だけでなく、沿線の美しい景観や水面から橋梁までの高さが日本で最も高い高千穂鉄橋を活かし、観光での利用を促進する増収策が取られていましたが、2005年9月6日の台風で甚大な被害を受け、全線で運行休止。復旧費用が非常に高額になることから鉄道での復旧が断念され、2008年12月28日に全線で廃止となりました。
現在は、高千穂あまてらす鉄道により、高千穂駅と高千穂鉄橋の間を、観光用として(遊園地の遊具と同じ扱い)、トロッコのようなグランドスーパーカートが運行されています。





ここからは写真で紹介いたします。
高千穂駅へは、博多や熊本・延岡などからのバスが発着する高千穂バスターミナルから徒歩で7分ほど。
高千穂バスターミナル内には、観光案内所が併設されており、大きな荷物を預かってもらったり、自転車を借りることも可能です(どちらも有料)。

高千穂バスターミナルから坂を登ると、高千穂鉄道の線路と高千穂駅が跨線橋の下に見えます。

近くに食堂もあります。
私が訪れた時は、残念ながら休業していました。

跨線橋を渡り切って、階段を降りると、高千穂駅です。
高千穂鉄道時代の駅舎がそのまま使用されており、グランドスーパーカートの乗降場になっているだけでなく、運営している高千穂あまてらす鉄道の本社の所在地となっています。

何はともあれ、まずは、グランドスーパーカートに乗車してみたいと思います。グランドスーパーカートは、40分毎の運行。
それなりに本数が多いので、発車時刻をあまり気にしないで乗車することが可能です。

出札窓口で乗車券(大人2000円)を購入し、改札内へ。ほどなくして、グランドスーパーカートが入線してきました。
機関車のような運転台に挟まれた4両編成で、乗客は貨車のような中間2両に乗車します。

グランドスーパーカートの運転台。
トラクターを改良したそうで、線路を走るので、中央のハンドルはありません。

客車は、ロングシートになっています。

指定された2号車に乗車します。梯子のような階段を降りて、客車に乗り込みます。

客車の床はガラス張りになっており、景色が見えやすいようになっています。

全員が乗車したところで発車。
先頭と最後部からエンジン音が鳴り響きます。

トンネルを2つくぐります。

トンネル内では、花火のようなイルミネーションでの演出がなされています。
イルミネーションは、車両の運転台後部から投影されています。

天岩戸駅を通過すると、いよいよ高千穂鉄橋です。

高千穂鉄橋を渡る前にいったん停車し、風速計の確認が行われます。
風が強すぎると、天岩戸駅での折り返しとなることもあるそうです。

幸い、風速は問題なく、高千穂鉄橋に進みます。

一番高さが高い鉄橋の中央部分で停止し、鉄橋の上から景色を眺める時間が設けられています。鉄橋の中央部分での停車中は、前後の運転台からシャボン玉が飛ばされます。
グランドスーパーカートの運行中は、立っての乗車はできませんが、鉄橋の中央での停車時間中は立って景色を眺めたり、写真を撮ったりすることが可能になっています。

鉄橋の中央からの眺め。
私は、高いところがあまり得意ではないので、座った状態での撮影です。

鉄橋の中央での景色を撮影タイムが終わると、再びグランドスーパーカートが走り出します。高千穂鉄橋を渡り切ったところ、トンネルの手前で高千穂駅へ折返しとなります。
この先まで日之影温泉まで運行する計画があるそうですが、是非、実現して欲しいですね!

折返しは、2号車側が先頭になります。
往路とは違った視点で、景色が楽しめます。

天岩戸駅。

天岩戸駅の外には、古い枕木が山積みされていました。
グランドスーパーカートのアナウンスによると、傷んだ枕木は順次コンクリート製のものに交換しているそうなのですが、交換されたものなのでしょうかね・・・?

残されている標識や信号機も見ることができました。

高千穂駅を出発して30分ほどで、高千穂駅へ戻ってきました。ホーム上には、次のグランドスーパーカートに乗車しようと多くの人が待機しており、人気の高さが伺い知れます。




ここからは、検修庫の保存車両について紹介いたします。高千穂駅の奥にある検修庫は、高千穂鉄道鉄道記念資料館となっています。
残念ながら、私が訪れた日は、資料館が臨時閉館となっており、中を見学することはできませんでしたが、外から保存車両を見学することはできました。

保存されているTR-200形TR-202号(手前)とTR-100形TR-101号(奥)。
TR-202号は、運転体験にも用いられ、動態保存車という位置づけだそうです。
外観がJR西日本のキハ120形に似ていますね。
TR-100形とTR-200形はぱっと見同じに見えますが、TR-100形がセミクロスシートなのに対し、TR-200形は観光用車両という位置づけで全席ボックスシートになっているそうです。
なお、TR-101号の手前に置かれているカートは、高千穂駅から資料館への送迎用のようです。

検修庫の中を除くと、券売機や古い看板が置かれていました。
券売機は、食券のような切符が発行されていたのだと思われます。
写真の右側の「乗って残そう!! 高千穂線!!」のフレーズに寂しさを感じます。

最後に、高千穂へのアクセスについて述べたいと思います。
高千穂駅へは上述の通り高千穂バスターミナルから徒歩で7分ほどなのですが、高千穂バスターミナルへはどう行くのかということですが、大きく分けて3通りでしょうか・・・?

  • 延岡駅から路線バス
  • 熊本駅から高速バスたかちほ号
  • 西鉄天神高速バスターミナルまたは博多バスターミナルから高速バス

となるかと思います(宮崎交通による運行)。
詳しくは、宮崎交通のHPをご確認ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

おわり。


投稿者 めいはん

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