キハ8500系8501・8504号(栃木県那須烏山市、那珂川清流鉄道保存会)

那珂川清流鉄道保存会キハ8501・8504

キハ8500系8501号(那珂川清流鉄道保存会)8501号。

キハ8500系8504号(那珂川清流鉄道保存会)8504号。




キハ8500系は、JR高山線乗り入れ特急”北アルプス”で使用されていたキハ8000系の置き換え用として1991年に登場。高出力のカミンズ製のエンジンや電気指令式のブレーキなど、JR東海のキハ85系と同等の走行機器を持ち、最高速度120km/hの高性能。内装は、グリーン車と見間違うような座り心地の良いリクライニングシートや 、カーテンを閉めても風景が見られる”熱反射形スパッタミラーカーテン”等を採用し、1000系パノラマsuperをさらに豪華にしたような感じであり、先頭車4両(8501~8504号)と中間車1両(8555号)の5両が製造された。
8501・8502号の2両は、前面貫通扉の下部を拡大し、キハ85系と併結できるようになっており、美濃太田~高山間では”北アルプス”とキハ85系”ワイドビューひだ”が併結して走行していた。また、高性能を活かし、間合いで名鉄線内での特急にも使用されていた。
乗客減や名鉄バスセンターからの高山行きの高速バスの運行開始などの影響もあり、”北アルプス”は廃止されることになり、2001年9月30日の運行をもって名鉄線内での運用を終えた。
名鉄での運行終了後は、全5両が会津鉄道に譲渡されることになり、2001年12月に甲種輸送で譲渡された。
会津鉄道でも、形式と塗装は名鉄時代のままとなり、2002年3月よりAIZUマウントエクスプレス(快速または普通)として運行を開始した。
会津鉄道での運行開始後は、JR磐越西線の喜多方や東武鬼怒川線の鬼怒川温泉に乗り入れるなど、活躍の場が広がっていったが、高速運転向きに設計されたキハ8500系には、普通列車等加減速が多かったり、低速での走行が続く会津鉄道での運用には向かなかったようで、老朽化が進行し、2010年5月に運用を終えた。
運用終了後、売却先の募集が行われ、8501号と8504号は、2011年より那珂川清流鉄道保存会で保存されている。
なお、8555号は運用終了前の2010年1月に解体された。8502号と8503号は、会津若松市内の”やすらぎの郷 会津村”で保存・展示されていたが、2015年にマレーシアのサバ州立鉄道に譲渡された。エンジンの復旧等が行われ、2016年よりまさかの現役復帰を果たしている。末永い活躍を願いたい。

保存場所 那珂川清流鉄道保存会
営業時間 要問合せ
定休日 要問合せ
アクセス JR烏山駅から那珂川町コミュニティバス馬頭烏山線那珂川町役場行きに乗車、
上大桶バス停下車すぐ(列車・バス共に
本数が非常に少ないので注意)。
公式HP http://www.ns-tetsudo.com/





キハ8500系8504号車内(那珂川清流鉄道保存会)8504号車内。
施錠されているが、係の方にお願いすれば車内を見させて頂ける。

那珂川清流鉄道保存会キハ8501・85042015年に見学した時の様子。
現在は、保存車両が増加したため、8501号と8504号の並びを撮影することはできない。

調査・撮影年(特記がないもの):2020年




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