TR-300形

今回も高千穂鉄道の話題を。

先回の記事でも述べた通り、高千穂線は高千穂駅と南阿蘇鉄道の高森駅が鉄路で繋がる構想があったものの、工事は中止されました。この時に建設された高千穂町内のトンネルが、「トンネルの駅」として活用されています。「トンネルの駅」では、高千穂鉄道で活躍した観光用車両TR-300形が保存されています。
今回は、「トンネルの駅」で保存されているTR-300形を紹介いたします。





まずは、TR-300形の概要を(参考:Wekipedia)。
TR-300形は、1991年に登場。1989年の高千穂鉄道開業(JRからの転換)以来TR-100形とTR-200形が高千穂鉄道の輸送を担っていましたが、観光輸送の更なるサービス向上を目的に、TR-301号とTR-302号の2両が製造されました。
秋田内陸縦貫鉄道で急行「もりよし」用として製造されたAN-8900形がベースになっているそうで、大きな前面窓が特徴的です。車内は、中間部にサロンコーナーを設け、それ以外は転換クロスシートとなっています。
TR-100形やTR-200形と連結をし、座席指定制の「たかちほ号」の座席指定車両として運行されましたが、TR-400形に置き換えられ、2両とも2003年に廃車。廃車後は、2両とも神楽酒造株式会社に譲渡され、神楽酒造が運営する「トンネルの駅」にて休憩所としての利用も兼ねて保存されています。





ここからは、写真をご覧ください。
「トンネルの駅」へは、最寄りの坂の下バス停を降りてすぐ。
バスを降りると、保存されているTR-300形の姿が目に入ります。手前がTR-302号です。
逆側(TR-301号)も見てみましょう。

TR-301号のほうから。
塗り直されてから6年ほどが経つようで、傷みが見られます。
なお、塗装は現役時代とは異なったものになっています。

台車。
上が運転台の後方、下が編成だと中間に入る方の台車です。
動台車は、片側だけだったようで、運転台の後方の台車は付随台車になっています。





トンネルの駅の構内から見学してみます。こうやって見ると、前面部の窓の大きさがよくわかります。
この大きな窓から高千穂鉄道の美しい風景を一度眺めてみたかったですね。

TR-302号の車内に入ることができたので、見学してみます(TR-301号は車内見学不可)。休憩しやすいようテーブルが設置され、座席は固定されています(転換しません)。

座席。
座席の形状は、名鉄5300・5700系によく似ています。
もっとも、TR-300形がバケットタイプなのに対し、5300・5700系はバケットタイプではありませんが。

扉付近にはテレビが設置されています。
構造から、現役当時のままと思われますが、何を写していたのでしょうかね・・・?

サロンコーナー。
この部分のテーブルも保存に際し設置されたものと思われます。

先頭部。
先頭部からの眺めは、かなり良かったことでしょう。
保存の際に設置されたと思われる家庭用エアコンが目立ちますね。

運転台にも入れました。運転台の機器などは、現役当時のままと思われます。

製造銘板。

車番。

引退の際に貼られたと思われるステッカーがそのまま残されていました。

「トンネルの駅」には、蒸気機関車も保存されています。8600形48647号。
御召し列車の牽引に使用されたことがある機関車だそうです。

「トンネルの駅」の外からも見てみましょう。48647号が展示されている場所は、高千穂~高森間の未成線の跡です。

最後になりましたが、「トンネルの駅」へのアクセスについて。
高千穂駅や高千穂バスセンターから高千穂町のコミュニティバス「高千穂ふれあいバス」の河内線の河内行きまたは広木野線の上野行きのバスに乗車し、坂の下バス停下車すぐです。
バスは、本数が少なく、特に土休日は非常に少なくなるので、バスの時刻を必ずお確かめください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

おわり。


投稿者 めいはん

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