今回は、久々に京阪の話題を。
先日、休車となり、淀車庫で留置されていた2600系の最後の車両が、寝屋川車両基地に回送されました。
このまま廃車になってしまうと思われます。
旧2000系時代を含めると、60年以上も活躍し、武骨な外観や、編成中に多く運転台やパンタフラフがあったり、寄せ集めのように様々な台車が使われていたりと、ファンの人気も高い車両でしたが、コロナ禍であったことや、昨今よくニュースに取り上げられているマニアの暴走の影響もあったのでしょうか、特段さよなら運転などは行われず(有料撮影会やファン有志の撮影会は実施)、引退となりました。
今回は、これまでの2600系の活躍を写真で振り返ってみようと思います。
2600系は、1959年に登場した2000系を改造した車両です(書類上は、代替新造扱い)。
京阪線は、1983年に架線電圧が600Vから1500Vに昇圧されましたが、2000系を寝屋川車両工場にて、複電圧対応の制御装置に換装し、冷房化などを行い、2600系とし、2601F(2601-2701-2801)が1978年に竣工し、1982年までに2000系の全車103両が改造を受けました。
大津線や鋼索線を除く京阪線全線で活躍し、快速急行から支線区での運用まで幅広く運用されました。最高速度は110㎞/hで、性能面でも新型車にひけをとりませんでした。
2001年から廃車が始まり、2021年には7連×3本(2601編成、2609編成、2624編成)を残すのみとなりました。2609編成は2021年7月に廃車となり(うち2両が寝屋川車両基地の教材車に)、2601編成と2624編成も2021年のダイヤ改正で運用を離脱し、休車となり、淀車庫で留置されていました。
2601編成のうち、2601号を含む3両は、2022年9月に廃車となり、2601号の先頭部が、くずはモールの「SANZEN-HIROBA」に保存されています。
また、上述の通り、休車中だった車両(11両)は、2023年11月6日に寝屋川車両基地に回送され、このまま廃車になるものと思われます。
まずは、最後に残った3編成の写真を。2601編成(2016年7月、京橋~天満橋間にて撮影)。
2609編成(2019年4月、西三荘にて撮影)。
2624編成(2018年3月、出町柳にて撮影)。
2624編成の大阪方先頭車の2803号は、編成の中間に入っていたこともあったので、前面に転落防止幌の台座が取り付けられています。
続いて、支線区(交野線・宇治線)で活躍していた頃の姿を紹介します。
10000系や13000系の導入前は、2600系の独壇場のような日もありました。六地蔵に入線する2615編成(2012年6月撮影)。
この頃、13000系の4連車の導入が進められていた頃で、宇治線には、13000系や10000系、そして2600系と様々な車両が走っており、よく撮影に行ったものです。2615編成の京都型先頭車(2615号)は、教材車として、寝屋川車両基地にて2022年まで残っていました。
2600系と13000系の並び(六地蔵にて、2012年6月撮影)。
過渡期ならではと言うべきでしょうか、このような並びも見られました。
宇治線で車掌が乗務しているというのも懐かしいですね。
六地蔵で並ぶ2600系(2010年7月撮影)。
交野線がワンマン化された2007年から、2012年に13000系が導入されるまで、宇治線は、2600系の独壇場になっていました。
たまに10000系が宇治線に入っているのを見かけると、非常に珍しく感じたものです。
交野線私市(きさいち)駅で発車を待つ2602編成(2005年12月撮影)。
交野線は早い時期(2007年)にワンマン化されたので、2600系のイメージは薄いのですが、写真を撮っていました。
2600系は、2010年に後述のミュージアムトレインになり、注目を集めた編成です。
ここまでは、支線区の折り返し運用の写真を紹介しましたが、ここからは直通運用の写真を。
2008年10月19日の中之島線開業によるダイヤ変更時から2013年3月15日まで、朝は、朝は私市発中之島行きの通勤快急「おりひめ」が、夜は中之島発私市行きの快速急行「ひこぼし」が運転されていました。
2008年10月のダイヤ変更以前も、「おりひめ」はK特急として、「ひこぼし」は準急として運転されていましたが、写真はまったく撮っていないので、ここでは、2008年10月ダイヤ変更以後の写真を紹介いたします。通勤快急 中之島行き「おりひめ」(関目にて、2011年4月撮影)。
快速急行 私市行き「ひこぼし」(中之島にて、2011年5月撮影)。
「おりひめ」・「ひこぼし」どちらも専用の副標付きでした。
ここからは余談となりますが、写真はどちらも2609編成ですね。
7連じゃないの? と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、2011年5月のダイヤ変更以前は5連で運用についていました。
ここからは、イベントの時の写真を。2010年に運行されたミュージアムトレイン(樟葉~牧野間にて、2010年9月撮影)。
2010年、京阪100周年を記念し、2602編成を改造し、車内を展示スペースとしたミュージアムトレインが運行されました。
”運行された”と言っても、各駅に留め置いて展示するという形を取っていたので、走行風景を見られるのは回送時だけでした。
2602編成は、このあと廃車されています。
2011年に行われた機関車トーマス号の臨時運行の際の一コマ(中書島にて、2011年10月撮影)。
機関車トーマス号と宇治線運用の2623編成との並びが見られました。
毎年、寝屋川車両基地でファミリーレールフェアが行われていますが、2012年は2600系が多く展示されていました。旧3000系の引退が近く、旧3000系の3505(8531)編成が展示されることは、事前にアナウンスされていましたが、サプライズで2605編成が並べて展示されていました。
同じく2012年のファミリーレールフェアで展示されていた2624編成。
恒例の車体上げも2600系(車番不明)でした。
最後に、今年の4月からKUZUHA MALLで展示されている2601号のカットモデルをご覧ください。KUZUHA MALLのSANZEN-HIROBAに、旧塗装に戻された上で、先頭部が展示されています(2023年5月撮影)。
編成をイメージできるように、トリックアート風になっているのが特徴です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
おわり。