名鉄の600V線区が廃線となり、今年で20年となります。
美濃町線の終着駅だった旧美濃駅で、2025年3月20日から23日まで企画展が行われていましたので、その様子をレポートいたします。
旧美濃駅は、美濃町線(徹明町~美濃)の終着駅でしたが、600V線区の全廃に先立ち、1999年3月31日の運行をもって、新関~美濃間は廃止になりました。廃線跡は撤去が進んでいますが、美濃駅の駅舎及びホームや線路は残され、現在は4両の電車が保存されています。
旧美濃駅駅舎。
開業当時(1919年)のものがほぼそのまま残っており、2005年2月に国登録有形文化財に指定されています。
さっそく駅の中に入っていきましょう。出札窓口。
”パノラマパック”が懐かしいですね。”1DAYフリーなごや”などお得なきっぷがいっぱいありました。
改札上部の発車時刻表。
美濃駅発が40分毎だったり(廃線間際は、昼間は1時間毎の運行)、急行があったり(廃線間際は普通のみ)、いつ頃の時刻表なのでしょうかね・・・?
駅舎内では、廃線から20年を迎えるにあたり、600V線区が現役時代に使用されていた駅名板や方向板などが展示されていました。
展示されていたものは、旧美濃駅保存会が所有しているものだそうです。
なぜか置かれていた高速バスの座席と子ども用の傘。
こちらは、さすがに旧美濃駅保存会のものではなく、元々の設置物だと思われます(傘は忘れ物でしょうか・・・?)。
改札を通り、改札内に入ってみます。
駅事務室とその周りでは、クリアファイルなどのグッズや鉄道部品などが販売されていました。
駅事務室内で展示されていたものをご覧ください。各種方向板。
右側の値札がついているものは、販売されていたものです。
構内で保存されているモ601号とモ593号に設置されていた銘板が展示されていました。
ここからは、美濃駅の構内で保存されている車両について紹介いたします。
モ510形512号、モ600形601号、モ590形593号とモ870形876号の前面部の計4両が保存されています。
2000年10月に512号と601号が搬入され、600V線区全廃後の2006年3月に593号と876号の前面部が搬入されました。まずは、4両を一度に見てみます。
どの車両も美しい状態で保存されています。
最初に搬入された2両(512号、601号)とモ876号の前面部。
モ876号は、札幌市電時代の塗装になっています。
すべての車両の車内や細部を紹介したいところですが、写真の量が非常に多くなってしまうので、細部は別の機会に紹介することにして、今回は主だったものだけを紹介いたします。また、詳しい車両の説明も今回は省略いたします。
601号の車内。
2000年に搬入された512号と601号は、車内でフリーマーケットなどのイベントが行われるようにということで、座席がすべて撤去されてします。
512号の運転台。
速度計は、もちろん(?)ありません。
512号車内の検査表記。
大正15年(1926年)製造で、来年で100歳になります。
876号の運転台。
マスコンが、ちょうど貼り紙が貼られている場所にあったはずですが、撤去されています。
593号。
登場当時の塗装に復元されています。
593号の車内。
593号の車内は、現役当時のまま残されています。
593号の台車。
現役時代に使用されていた台車は、591号・592号とともに土佐電気鉄道(当時、現在はとさでん交通)に譲渡されており、現在593号が履いている台車は豊橋鉄道3100形で使用されていたものだそうです。
駅舎側から車両を見てみましょう。512号と601号。
601号の岐阜方は、運転台の窓周りのゴムが登場時のグレーに復元されていますが、こちらは晩年の黒色になっています。
593号。
”小倉号”の系統板が取り付けられています。
”小倉”というのは、近くの小倉公園(小倉山城跡)のことと思われ、桜の名所として知られているそうです。
3両一緒に。
4月から岐阜駅前から美濃まで直通していた岐阜バスの運行がなくなってしまい、少し不便になってしまいますが、定期的に訪れたいです。
<おまけ>
美濃駅から岐阜バスで岐阜駅前に降りると、岐阜駅前で保存されているモ510形513号の車内が公開されていたので、少しだけ様子を紹介します。岐阜駅前のモ510形513号。普段の様子はこちら。
駅前でプラレール広場が行われ、小さな子どもが遊んでいました。
車内。
1+2列配置のクロスシートが懐かしいですね。
座席にぬいぐるみが置かれていました。管理されている方がお好きなのでしょうか・・・?
こうやって座ると、現役時代を思い出します。
岐阜駅前のモ510形513号は、4月中旬までの日没から22時まで、桜色でライトアップが行われるそうなので、こちらも注目です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
おわり。